この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可奈さん
第5章 来訪者
マンションを出て自宅に向かった。シャツの胸に滲みた可奈さんの涙が切ない。
もっとそばにいたかった。でも俺ではだめなんだ。
アイツ…
ややこしい事を遺してさっさと逝きやがって
──今、彼女には私しか見えてないんでね
今…
今ヤツはもういない
可奈さんは忘れようとしてる。弱ってるって言ってた…
チャンスだ。
でも俺に何があるんだ…
俺は希望を抱いたり、落ち込んだり、ニヤニヤしたり頭を抱えたりしながら歩いた。
すっきりとしない胸のもやもやが何度もため息を吐かせ、可奈さんを抱き締めた腕は寂しい。
甘いシャンプーの香りに巻かれ、あのまま押し倒したら嫌われただろうか。
アパートのバスルームで汗を流し、可奈さんを想って自分自身を慰める。
邪魔をしてくるアイツから可奈さんを奪い、折れる程強く抱き締めて胸に顔を埋めた。
「あぁ…」と呻く可奈さんの声をシャワーの音の中に響かせ、俺は堪えきれずに昇りつめた。
もっとそばにいたかった。でも俺ではだめなんだ。
アイツ…
ややこしい事を遺してさっさと逝きやがって
──今、彼女には私しか見えてないんでね
今…
今ヤツはもういない
可奈さんは忘れようとしてる。弱ってるって言ってた…
チャンスだ。
でも俺に何があるんだ…
俺は希望を抱いたり、落ち込んだり、ニヤニヤしたり頭を抱えたりしながら歩いた。
すっきりとしない胸のもやもやが何度もため息を吐かせ、可奈さんを抱き締めた腕は寂しい。
甘いシャンプーの香りに巻かれ、あのまま押し倒したら嫌われただろうか。
アパートのバスルームで汗を流し、可奈さんを想って自分自身を慰める。
邪魔をしてくるアイツから可奈さんを奪い、折れる程強く抱き締めて胸に顔を埋めた。
「あぁ…」と呻く可奈さんの声をシャワーの音の中に響かせ、俺は堪えきれずに昇りつめた。