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第6章 雨からのエスケープ

待っているこの一秒一秒が長い。

もう仕事が始まっているから返事が簡単に返ってこないことなどわかっているけれど、それでも今か今かと待っている。

返事がほしい、浩平クンからの返事がほしい。

それなのに開いたままの携帯にはメールが届くような気配が感じられない。

そんな携帯を見ていると、ちゃんとメール送ってくれたの？と八つ当たり気分になり、あのメールはセンターなんかで止まってないだろうなとか掃除のポリッシャーをかけている浩平クンが気づかないでいるんじゃないだろうか、それとも嫌われちゃったのかなとあれやこれやの心配や不安ばかりになって、待っている私にはなんともやるせない孤独な気持ちだけがつのっていく。