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フ・リ・ン ~年下の男の子と~
第6章 雨からのエスケープ
雨の向こうは相変わらずバスとタクシーだけがロータリーのプールでたむろしている。

と、そこに右から黒の大きなセダンの車が入ってきた。

もしかしてあれかな?

あんな立派な車に乗っているの?と目でその動きを追う。

その車は目の前をゆっくりと過ぎていくと、ハザードランプを点滅させて左端で停車する。

もしかして・・・と期待が高まったけれど、後ろのドアが開いて体格のいい男の人が降りてくると、車はまたスーッと走り去って行ってしまった。

まっ、若い浩平クンがあんな車に乗っているはずがないかとつい期待してしまった自分を苦笑いして慰める。

あの日もそうだったけれど、浩平クンと絡むと落ち込んだり嬉しくなったりとわたしの気持ちの揺れが激しくなる。
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