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第31章 先生、大好き。

先生の手のひらには
小さな箱に入ったシルバーのリングが2つ。



「美優紀。
俺、ここで待ってる。」


そう言うと先生は
わたしの右手を取って
薬指にシルバーのリングを通した。


「高校を卒業して
大学もちゃんと通って卒業したら
また……こっちにおいで。

そしたらちゃんと
ずっと、二人で暮らそう…。」


右手の薬指に通った指輪は
月明かりできらきらと輝く。


「…これって…ペアリング…？」


小さな箱に残されたもうひとつの指輪を
先生は自分の右手薬指に通す。


「そうだよ。」


いままで見たことのない
一番の優しい笑顔。