この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遠回りしたけど
第4章 お迎え?
わたしがその場に立ち止まると
大輝はゆっくりとこちらに向かって歩いて来る。
「帰るぞ」
わたしの手を掴んできた。
そのままゆっくりと歩き始め、
手を引かれて歩きながら
少しだけ前を歩く大輝を見つめた。
家に着くまで何も話さなかった。
ただ手を繋いだまま。
大輝の手は少し汗ばんでいた。
「じゃあな」
「・・・ありがと」
大輝はわたしが家に入るのを見届けてから
帰って行ったみたいだった。
自分の部屋から小さくなるその背中を見つめて
さっき大輝と繋いだ方の手を
もう片方の自分の手で握ってみた。