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遠回りしたけど
第10章 ちょこっとおまけ◇大輝side



そうだ、なおがいない時間に行けばいい。

なおが居た教室だけでも見たい。

同じ学校にいるんだから、いつだって会える。

会えたら、その時考える。



放課後になると、みんな部活に行ったり下校したりで、教室に人気がなくなる。

姉ちゃんに聞いた教室に行くと、そこに人影があった。

ベランダに一人、部活をしている様子を眺めているようだった。

その後ろ姿に俺は釘付けになった。

誰かなんてすぐにわかった。

それはずっと会いたかった人だから。



「なお」

気付いたら名前を呼んでいた。

彼女は少し肩をびくりと上下させ、ゆっくりとこちらを振り返る。



「なお・・・会いたかったよ」


今すぐにでも謝りたかった。

好きだと言って抱き締めたかった。

でも素直になるのが怖い。


だから、これからゆっくりでもいいかな。

俺はお前が好きだって、いつか必ず言うから。

俺以外の誰かと付き合うなんて、許さないから。



だって、

「なおは俺の彼女だろ?」



ずっと好きだった。

遠回りしてやっと捕まえた。



「なおが昔からずっと、好きだよ」




【END】
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