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遠回りしたけど
第1章 友達の弟



「いやーっ!」


わたしが大きな声を出すと
マンションの裏に居るから
誰かに聞こえてしまうと思ったのか
大輝の力が弱くなった。


その隙にわたしはその場から逃げた。


運動会でもこんなに本気で走ったことなんてなくて
足がもつれそうになりながら
少し離れた公園まで走った。


ここまで来ればもう大丈夫、
追いかけて来ない・・・



そう思ったのに
走るのを止めた瞬間に腕を捕まれた。



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