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甘いだけの嘘ならいらない
第7章 その温度さえあればきみを忘れることだってできたのに、
映画の内容なんてろくに入ってこないけど、スクリーン上で愛しあう二人は、お互いに相手のいる関係で、それでも好きになってしまった、そんな話のようだった。
「理紗、…行こう」
「っ、は……」
抜かれた指に、かけられた言葉に困惑する。
映画はまだ中盤なのに、翔は気にする様子もなく、ローターをもう一度入れるとあたしの下着をはかせて、耳元に唇を寄せた。
「もう待てない。…抱かせろよ」
ストレートな翔の言葉にぞくりとした。
ああ、また翔に抱かれるのだと思うと、いっそう強い熱りを感じて、あたしはちいさく頷いた。