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甘いだけの嘘ならいらない
第6章 騙されてあげる、それは君が好きだから
午後は郵便物の仕分けや備品の補充をしたあと、給料日が近いから社員のタイムカードのチェックをした。
タイムカードの入力漏れはダイレクトにお給料に響くから、それこそミスをするわけにはいかない。
出張の多い月は入力漏れが多くて、そのチェックをするのはあたしと、部長である翔の仕事。
先月と同じく、エクセルに社員全員の氏名や所属先のデータを入力して、時間数をその後で追加入力して、そのデータを翔のパソコンに転送する。
かなりの大人数だからそれなりに時間がかかったけど、どうにか入力を終わらせて、データを送ったことを翔に報告するために彼のデスクへ向かった。
「北条部長、タイムカードの入力終わったので、データ確認していただけますか?」
「ああ、わかった。すぐに確認するよ」
「はい、お願いします」
軽く頭を下げて、席を離れようとすると、雛月、と呼び止められる。