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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章 『 シフォンケーキ 』

ブログには、コメント欄の他にウェルカム欄というものがあった。
その記事にたいしてのコメントではなく、ブロガーさんに思ったことを気軽に伝えることができる。
Sachiさんのウェルカム欄を見てみると、Sachiさんに宛てた料理に関することばかりが、書き込まれていた。
ウェルカム欄は、非表示のコメントも書くことができる。
わたしは、ウェルカム欄の「書き込む」をクリックした。
パソコンの画面上には、空白が広がった。
わたしは、伝えたいことがたくさんあるのに、想いが溢れすぎて何から伝えばよいかと悩んだ。
書き出してはクリア、書き出してはクリア……を何度も繰り返した。
そのうちに、書きたいことを箇条書きに入力してみた。
そして、Sachiさんに伝えたいことを書き綴った。
『ブログ初心者の私を承認してくださってありがとうございました。
Sachiさんの限定記事に、とても驚きました。
料理上手なイメージのみだったからです。
でも、Sachiさんの限定記事に書かれてあること……。
とても……うらやましく思いました。
それは、私が………長く忘れていたことだったからです。
まだ、途中までしか読んでないのですが、拝読したいと思います。』
入力を終えて、わたしは、何度も何度も読み返した。
私が……長く忘れていたこと……なんて書いて、変な人だと思われないだろうかと少し心配になった。
だけど、伝えたいことを考え言葉にしたら、これ以下でもこれ以上でもない思いになった……。

