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いつ見きとてか 恋しかるらむ
第2章 『 シフォンケーキ 』

わたしは、確認ボタンを押した。
画面は「これでよいですか」の表示に切り替わり、下にOKボタンとキャンセルボタンが表示された。
ざっと目を通して、鍵の絵文字にチェックを入れた。
誰にでも見られるのは……憚られた。
これで、Sachiさんしか読めない……。
少し安心感を得て、私はOKボタンを押した。
Sachiさんは読んでくれるだろうか……。
返信は、求めちゃいけない。
わたしが、勝手に思いを伝えただけだから。
でも、少しだけ……期待してしまう自分がいた。
Sachiさんのブログを読んで、忘れていた自分を思い出した。
忘れていても、なんの不自由もない……。
だけど、わたしはあのなんとも言えない甘い気持ちを思い出してしまった。
誰にも言えない……感情。
それを、ネット上とはいえ、共有できる人がいるかもしれない…。
そう思うと……、返信があればいいのに。
と、望んでしまう。

