この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いつ見きとてか 恋しかるらむ
第3章 『 抹茶 水ようかん 』

『視線の端に、水の入ったグラスを手に取るのが見えた。
私は、ご主人様に目を向けた。
仕事の時とは違う冷ややかな目……。
「何に怒っていると?」
低い声でそう言われた。
私は、個室の扉に視線を向け、多分店員は来ないだろうと思い、
「この間の……ご命令をきかなかったことに……怒っていらっしゃるかと。」
そう言いながら、私はご主人様を見れなくなっていた。
「怒っていると思うなら、謝って実行すればいいだろ。」
落ち着いた声でそういった。
私は、膝の上に置いた手を握りしめた……。
「それは……できませんっ。」
私は、小さな声でつぶやいた。
「ん?」
沈黙が続く……。
「それは、できませんっ!」
私は、さっきより大きい声で伝えた。
「私に逆らう……と?」
低く落ち着いた声が個室に響く。
私の心臓の音が部屋中に響くんじゃないかと思った。
「し、仕事中には……無理ですっ。」
声を絞り出した。
そこからの私は早口(笑)
「仕事中に……調教だなんて。仕事に集中できません。」
「ご主人様の命令はお聞きしたいですが、こればかりは無理ですっ。」
そんなことを言ったと思う。』

