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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫

「おい、止めるな」

「……っ や……!」


耳元で低く囁かれて、ビクンと反応する体。
耳朶を噛まれて、熱い舌が首筋へと這っていく。


「ちゃんと膝下まで下げて、足広げろよ」

「……っ、あっ」

「もっと」

「…んっ、や、そんなとこで喋んないで……っ」

「蘭、俺の言う通りにして。
じゃないと」


チクリと痛みが走った、左の鎖骨。
吸い付けた唇を離すと、葵は下から私を見上げた。


「……俺のもんだって印、身体中に残すぜ?」

「………!!」


そ、その顔反則!!///
片目を瞑って口角を上げた、その笑みに完全ノックダウン。

……だめ、脳が、痺れる。
後ろの夜景なんて霞んじゃってるよ……

クラクラして動けない私に、葵は溜息をつくと


「………!」


太ももの真ん中で、中途半端に残っていたタイツを
一気にロングブーツの履き口まで引き下げた。

そして
持ち上げた私の両手を、葵は自分の胸へと誘導する。


「どこでもいいから、ちゃんと掴んでおいて」

「………?」


腕から離された手が、再びお腹の下へと下がっていく。


「すぐに、立てなくなるから」

「………!!」

「立てなくさせるから。
……覚悟して」

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