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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫

溢れる愛液は葵の手に納まらず、内ももを伝って流れていく。
優しい指の動きがじれったい。


「言わないなら、当ててやろうか」


左手の2本の指で、私の顎をくいっと持ち上げて
ド至近距離で、葵はふっと笑った。


「エレベーターで、俺を触ってた時」

「………!」

「いや、もっと前か。
俺がコケた佐伯に手を貸した時」

「………っ」

「なぁ、どっち?」


覗きこむように聞かれて、かあっと顔が火照る。

……酷い。
わざわざ、佐伯さんの場面まで持ち出すなんて
私が嫉妬で渦巻いていたこと、見抜かれている証拠だ。

……それなのに
私の中心はますます葵の手を濡らしていく。

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