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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫

一瞬で


空気が凍った。



「「…………」」



葵と私が、ピタッと同じタイミングで止まる。



……なに、してるの?

なに、して

な、

なにって……


「「~~~~!!」」


ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁaaaaa……って、流石に叫べないけど!!
み、み、見られ……っ

って、あれ?
え!?


「………!?」


葵がガシッと私の手を取って、瞬時に自分の後ろに下がらせたから
視界には葵の背中しか入らないけど……

で、でも……


「ねぇねぇ、おしえて?」


……それは、キャッキャと無邪気な笑い声で
聞こえてきたのは、私と葵の膝元あたりからで……


「………」


葵の鬼火が、鎮火するどころか更に激しく燃えている。

服をマッハで整えて、葵の後ろから顔を出すと
そのスーツを小さな手で掴む、小さな男の子が笑っていた。


・・・って、子供!?

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