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唇に媚薬
第8章 嫉妬姫
「……おい」
全身にピキピキと怒りのマークを浮かべて、葵はしゃがみこんだ。
「な ん で こ ん な 時 間 に ガ キ が い る ん だ ? 」
「………」
一文字一文字を区切って、上から下まで舐めるように男の子を睨みつける。
って、そんな小さな子に啖呵を切らなくても!
大人げないんだから!
「あ、葵ってば、そんな怖い顔したら……」
「おねぇさん、泣いちゃってるよ?」
「………!」
「おにいさんが、泣かせたの? いっけないんだ~~!」
「~~~!!」
こら!!
子供!!
これ以上葵を刺激させないで!!
ってか、いつから見られてたの!?
「……あぁ、お前の言うとおり鳴かせてたんだよ」
葵は笑ってるけど、凄まじく恐ろしい。
「悲しい涙じゃねぇの。
ガキには理解不能だろうけどな」
「えぇ~ きちくぅ」
「うるせぇ! つーかそんな単語どこで覚えたんだ!」