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唇に媚薬
第10章 狂う程、夢中
葵の腕が解かれても、私は夢中でキスに溺れた。
快感で震える体を、後ろのシンクで支えて
目を閉じて、絡まる舌に集中して
全てを委ねていた。
……だから
カチャッとベルトが外れた音は
完全に聞き逃していた。
「………?」
ふいに
太ももの内側に葵の手が触れて
そのまま左足だけ持ち上げられて、目を開ける。
「……あ、おい……?」
片手でぐっと腰を引き寄せられて
……その煮え滾る煽りを、お腹の下に感じるまで
「………!!」
……気付かなかった。
「……余裕ねぇって言っただろ?」
電流が流れたような、強い震えが背中を迸る。
ふっと笑った葵の手が、小さな何かを手離した。
……ひらりと床に落ちた、四角いパッケージ。
「蘭、許せ」
「〜〜〜!」
「先に謝る。 優しくできない」
「……あ、ま、待っ……!」
「……俺だけを、感じて」