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唇に媚薬
第10章 狂う程、夢中

眉を寄せて、葵が片目を瞑った。
腕を回した逞しい背中に、汗が滲んでる。


「……偉そうなこと言ったけど、俺も限界みてぇ…」


やっと余裕の無い葵が見れたけど

……そんな彼を堪能する気力すら残っていない。


「……あ、葵ぃ……っ」


何度目かの絶頂で、体が弾けた。

辛いんじゃない。
痛くないし、怖くもない。

だけど、それらに紙一重で近いくらい
とてつもない快感で狂わされる。


「……っ イきそ……」

「あ、あ、あぁ……」

「……蘭……っ」


ぎゅうっと葵の腕に閉じ込められる。
強く、強く、潰れそうなほど強く


「……っ あ、葵、好き……っ」

「………っ」


一番奥深い所で、熱いものが放出されて
葵のキスを受け入れながら、その愛しい体を抱き締め返した。



「……このまま朝まで、続けてぇ」

「………」

「けど、準備……」


葵が溜息と共に何かを言ったけど、私はもう返事すら出来なかった。

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