この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
俺の右腕
俺の専属
俺の一部……ってこれは言ってないけど。
……間違いない。
この若くて可愛らしいお方は……あの日
差し出された葵の左手に、小さな右手を重ねていた……
「~~~~!」
さ
さ
さ
佐伯お嬢様ーー!!
「あの、早坂さ……?」
「お、お先失礼します!」
店長の呼びかけを遮って、ガバッと頭を下げると
落ちたアウターを掴み、私はダッシュでその場から立ち去った。
「………っ」
って、おい!
なぜ走るのだ私!
怪しい、怪し過ぎる!
「お疲れさまっしたぁ」
自動ドアの手前で、例の生意気な新人が声をかけてきた。
~~ってなんだその言葉遣いは!
「今度は姫宮さんに来てほしいのでぇ」
「………!」
「待ってますぅって伝言……」
「自分で言え!」