この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唇に媚薬
第11章 純真なカノジョ
……なんて奇妙な会話をしているんだろう。
というより
この前の鈴木さんみたいに、紹介されたならまだしも
葵がいないところで、直接接点のない私達が話すのってどうなのかな。
あの男、こーいうの絶対嫌がるよ。
私だって苦手だし。
……それに、あの日に戻って見たからといって
彼女はなぜ、わざわざ私に伝えてきたんだろう。
「……あ、の」
モヤモヤする私の前に、もう1歩近付いて
彼女は買った服をぎゅっと胸の前に抱えた。
「こんなこと、聞くべきじゃないと思いますが……」
「……え?」
じっと丸い瞳で見上げられる。
「ら、蘭さんは……」
「………!」
「瀬名さんとお付き合いされて……いるのですか?」
………!!
さっきよりも更に強く
ドクンと大きく心臓が跳ねた。
なぜか熱の籠った瞳に、圧倒されて
背中に冷や汗が流れる。