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唇に媚薬
第13章 同じキモチ
「~~~~!!///」
ガコッッ……!
全身がフリーズした私の左手から、飲みかけの缶コーヒーが滑り落ちた。
固いアスファルトの上に、中身諸共派手に散らばる。
『……なんか、今すげー音したぞ』
電話の向こう側にもしっかり伝わったようで
ゆっくりとした掠れ声が、いつもの葵の口調に戻った。
だけど、私の方は急激に体温が上昇している。
『おい、大丈夫か?』
「へ、へへ平気……っ」
よ、良かった。
私のパンプスを濡らしたけど、周りにいる人にはかかっていない。
慌てて落とした缶を足元へ置く。
『今何時?
そっちの方が進んでるから夜だろ?』
「……う、うん、もうすぐ11時……」
『なんか周りがガヤガヤうるせぇな』
「ごめん、今駅前で……」
『お前、また飲み歩いてんのかよ』
「ち、違……」
溜息を漏らす葵に、必死に首を振ったけど
そ、そんなことより
私の夢見てたって……
ど、どんな夢!?///