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唇に媚薬
第13章 同じキモチ
「………!」
5分も経たないうちに、手の中で携帯が振動して
メールだと思っていたのに、その着信は続くから
「………っ」
心臓がトクンと跳ねる。
……電話してくれてる。
ど、どうしよう。
指が震えちゃってるんだけど……っ
「……も、もしもし?」
『………』
「あ、あの……」
『ら、ん…?』
「………っ」
……その、低くて掠れた声に
跳ねた心臓がきゅうっと締めつけられた。
強張った全身から、一気に力が抜ける。
「ご、ごめんね。そっち朝早いのに……」
『……これ、続き?』
「へっ!?」
『いや、違うか。 朝……』
葵の声のトーンで、完全に寝起きなのは分かったけど
繋がらない会話で、ドキドキと胸が揺れる。
携帯をさらに耳に押し付けると
『お前、どうして分かった?』
「……えっ?」
『俺、今……蘭の夢見てた』