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唇に媚薬
第13章 同じキモチ

~~~俺も好きって言わないんかい!!


「~~ちょっと! 普通この流れで……」

『そろそろ支度するから、切るぞ』


~~はい、完全にスルー!
そのあっさりとした切り替えに、口がパクパクしてしまう。

もーーちょっと期待したのに!
いい雰囲気だと思ったのに!
こんな公共の場で、恥を曝け出して言ったのに!

……って
さすがに調子に乗り過ぎたか……


『……蘭』


一気にテンションが落ちて、どよーんと項垂れる私に
気付いてんだか敢えてシカトしてんだか
いつもの声のトーンで、葵に呼ばれた。

はいはい、ご出勤なんですよね。
電話代もあるだろうし、さっさと切りますよ。


「……家に着いたら、メールするわ」

『20日には帰るから』

「はいはい、分かりましたっ」

『蘭』

「なによ」

『Only you are seen』

「………」


……えっ!?


『じゃあな』


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