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唇に媚薬
第3章 強情プリンセス
「葵……ごめんね」
「は?」
「ごめん、気が利かなくて」
なんか、さっきまでの自分の態度が恥ずかしい。
弾丸日程で、土日も関係なく仕事してるのに
のこのこ来たりなんて、しなきゃよかった。
ゆっくり休んでって言えばよかった。
……やっぱり私、ダメな女だな。
「バッグ、自分で持つから大丈夫。
すぐ帰るから……」
「一緒に来いよ」
伸ばした手を、ギュッと掴まれる。
「添い寝して、俺と」
「………へっ?」
「お前と寝たい」
「…………」
……い、いま
な、なんて、言った?
驚き過ぎて足が止まる。
葵は私を見下ろして、ふっと笑うと
そのまま
手を繋いだまま、再び歩き出した。
「あ、あお……」
「ちゃんと言うよ、キスした理由」
「………!」
「引っ張っても意味ねぇけど
なんか、お前いつもと違うから」
「………っ」
「もう少し、夢の中にいたい」
ゆ、夢……?