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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕
……え、マジ?
す、すげーショック。
願望が強い余り、ついに心から飛び出したってわけ?
添い寝してって……
もっと他に言うことあるだろ……
「で、お前はその狂言を真に受けたってこと?」
「………」
「……?
おい、蘭……」
コートを引っ張るように、俺にしがみ付く蘭。
その顔を見て、離そうとした手が止まる。
「……お前、どうした?」
「………っ」
「なんでそんな顔……」
「カ、カバンの……っ」
「鞄?」
震える手で、ギュッと俺の腕を掴むと
蘭の瞳にうっすら涙が浮かんだ。
「葵の鞄が開いてて……
バスの中で、見えちゃったの」
「………!」
「あ、あんなに沢山の錠剤……っ
び、びっくりしちゃって……」
一筋の雫が、頬を伝う。
「いつから飲んでるの?
どうして、言ってくれなかったの?」
「…………」
「わ、私……
全然葵のこと、見えてなかったんだね……っ」