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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕
「……たった、ひとつだけなんだよ」
小さな頭を胸に閉じ込めて
真実の想いを、少しずつ解き放つ。
「一週間前に、キスした理由も」
「………!」
「彼女なんて作る気すらねぇのに、彼女がいると偽っていた理由も」
「………!!」
「こうして、今お前を抱きしめているのも
……理由はひとつだ」
力を込めすぎて、少し苦しそうにしている蘭。
僅かに隙間を作ってやったけど、心臓が破裂しそうで顔を見れない。
「……理由は……」
「………っ///」
「……だから、つまり」
……?
……おい、俺。
止まったぞ。
「……葵……?///」
デカイ目をすげーキラキラさせて
体を捩って、腕の中から蘭が顔を上げた。
いや、分かってる。
分かってるんだけど
なんで止まってんだ俺。
……早く言えよ。
たった二文字だろ。