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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕
「……蘭」
「……はい///」
……はいって……
んな可愛く敬語で返事するなよ。
マジで調子狂う。
言葉に詰まるなんて、今まで一度もねぇのに。
「……と、言うわけだ」
「……まだ何も聞いていないわ」
「読み取れ。分かるだろ?」
「分からない。
あのね葵。
私、今すっごくドキドキしてるの」
「………」
「早く言ってくれないと、心臓止まっちゃいそう」
……こっちはもう爆破して飛び散ったっつーの。
手足が痺れて感覚ねぇよ。
中坊か俺は……
覚悟を決めて
蘭を背伸びさせるようにして、抱きしめ直して
耳元に顔を近付ける。
「葵、大丈…」
「……好き、だ」
「………!!」
「ずっと蘭のことが好きだった」
「………っ」
「添い寝して、俺と」
……言ったか?
声に出た?
やべーマジで怖ぇ。
どうすりゃいい?
頭がフラついて、軽く呼吸困難の俺に
「……う、腕枕してくれたら……」
「………!」
「いい…よ」
俺の耳元で、俺だけに聞こえるように
蘭の声が優しく響いた。