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あたしの王子、俺だけの姫
第1章 捕獲
「有希さんは息子のことをご存じだったかね?」
ダンディーさんは優しく声をかけてくれる。
「い、いえ。存じるもなにも、倒れそうになったあたしを助けてくれた人ってことくらいです。あの時、掛けてくれた声が凄くカッコよくて....胸がキュンとしちゃったのを思い出しました。イケボだったので思い出せました」
なんて、思い出しながらあの時の低音ボイスを脳内引き出しから引っ張り出す。そしてリピート。
「だ、そうだ。良かったな、浩太....」
なんて、ダンディーさんが話を続けているのも気に止めず独り言が溢れ出す。
「自分も、あんな声が出せたらいいのにって思うし、なりたいし....包まれたい....」
一人の世界に浸っていく。