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翻弄の果てに
第10章 新しい家族
『あの時は 荒れてねぇ……奥さん呼んだくらい。
目の中に入れても痛くないくらいの溺愛っぷりだったからね。
妊娠がわかった時にはもう、堕胎も出来なくて……学校も病気ということにして、長く休んだのよね。
難産の末に産まれたのが、悠ちゃん、あなたよ。』
男が産まれたことで、親父は嬉しかったらしいが、気持ちは複雑で、だから俺と親父の間には、どこか違和感もあった。
環は、姉を演じながらも、俺を凄く愛し、面倒を見続けた。
それは俺が感じた愛情とは違うものだったが、離れたくない思いの環は、俺の恋愛感情を受け入れ、いずれ、俺の前に現れるであろう最愛の女性に渡すまで、その手で抱きしめていたかったのだろう。
『環は勝手だな……』
俺は ポツリと呟いていた。
目の中に入れても痛くないくらいの溺愛っぷりだったからね。
妊娠がわかった時にはもう、堕胎も出来なくて……学校も病気ということにして、長く休んだのよね。
難産の末に産まれたのが、悠ちゃん、あなたよ。』
男が産まれたことで、親父は嬉しかったらしいが、気持ちは複雑で、だから俺と親父の間には、どこか違和感もあった。
環は、姉を演じながらも、俺を凄く愛し、面倒を見続けた。
それは俺が感じた愛情とは違うものだったが、離れたくない思いの環は、俺の恋愛感情を受け入れ、いずれ、俺の前に現れるであろう最愛の女性に渡すまで、その手で抱きしめていたかったのだろう。
『環は勝手だな……』
俺は ポツリと呟いていた。