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翻弄の果てに
第11章 純粋な気持ち
祥子もまた、悩み、苦しんでいた。

冷たく言い放ち、そのまま家を飛び出してからずっと、悠太と会話もなく、顔すら合わせないように過ごしていた。

環が逝って半年が過ぎた頃以来、もう一年近く経っていた。

祥子の部屋には、環と並んで撮った写真が立てられ、毎日手を合わせては写真に語りかける祥子。


『環さん、やっぱり私には出来ないことみたいだわ。私はまだ悠太さんを避けてるの……』



祥子さんへ

まだまだたくさん恋をして、人を愛することも覚えていく若い祥子さんには、辛い十字架を背負わせてしまうかもしれない不安は拭えません。

それでも、もしも、まだ悠太を愛しているのなら、半年後、一年後も同じ気持ちでいたならお願いがあります。

悠太と幸せになって欲しいのです。

不器用で、やんちゃで、強情な子ですけど、根は優しくて一本気で一生懸命な男です。
素直なくせに、虚勢を張って強がりな事も言ったりしますが、祥子さんもお気づきのとおり、頼りになる男に成長しました。

ただ……

悠太の前から私が居なくなったら、生きる術を見失うと思うのです。

私の役目は終わりです。

祥子さん、悠太を支えてあげてください。いえ、どうしても、何がなんでもとは言いません。
もし、まだ悠太を愛してくれていたらでの話です。

悠太には祥子さんが必要なのです。悠太の脆いところもわかってくれる祥子さんですから。


わがままな私の最後の願いです。

我が子、悠太を宜しくお願いします。 環より



暗唱できるほど、何度も何度も読み返した手紙に、祥子は目を落とした。




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