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翻弄の果てに
第20章 甦り
話が終わると、水を打ったように静まり返り、緊張の空気は張り付いたまま。


『コーヒーいれますね。』

祥子が静まり返った空気を変えた。

深いため息が力の父から洩れた。


『私はね…お宅のお嬢さんを傷物にした力に天罰が降ったのだと思っていたんですよ。未来さんはまだまだ幼いのに、とてもしっかりしている。私ら夫婦は、未来さんに何の不都合も無かった。学業を終えるまで見守り、それで、二人が結婚したいというなら承諾するつもりだったんですよ。』

『そんなふうに思われていたんですか…ありがとうございます。』

『ただ…状況がまるで変わってしまい、結婚なんて考えられない身体になってしまいました。仕事だって続けられるとしても、もう第一線では無理でしょう。まして、そんな力に未来さんを下さることは到底望めません…苦労ばかりの人生になってしまいますから。』

『本当に申し訳ありません。こちらとしても、やはりこうなってしまっては……』

『もちろんです。それから、未来さんのお腹の子にかかる費用と、お詫びの代償はこちらで。本当に申し訳ありません。』



『待ってください!』



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