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翻弄の果てに
第22章 翻弄の果てに
お宮参り、お食い初め、初節句、目白押しにイベントが訪れる。

その度に両家のジジババの目尻が下がる。

こんな小さな子供が周りをホッコリと温かくしている。


日々大きくなる歩の成長はめざましく、力も復帰した仕事に熱がこもる。

生命力の強さが、力夫婦にとって、励みであることに違いはない。


ぐっすりと眠る歩を見ながら力が言った。

『未来…抱きたい。』

『うん…』

『愛してる、未来。』

『あたしも。力さん。』


二世帯住宅の、かつて、祖父母が使っていた住居が今は力家族の住居になっていた。

もともとバリアフリーで建てた家は、今となっては、力家族に最適といえた。


車椅子からベッドに移ると義足を外した。

未来はその傍らに。

力の大きな懐に抱(いだ)かれ、見上げた先の唇に吸い込まれていく………



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