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翻弄の果てに
第4章 穏やかな日々
『悠ちゃん、ご飯出来てるから食べてね。私は仕事に出る時間だから、行くわ……』


そうか、もう朝なんだな…
今日、俺は休み。
もうしばらく布団から出たくない……


俺が姉さんを意識したのは、多分、中学生の頃だ。
それまでは、大好きなお姉ちゃんだった。

いつも穏やかで、優しくて、よくよく俺の面倒をみてくれた。
親父と喧嘩しても、諭してくれるのは、いつも姉さんだった。

姉さんを「女」として意識し始めた頃、あの男と姉さんは結婚した。

俺の苦しみは、きっとそこから始まっていたんだな……

あの男から姉さんを奪う!

あの男から姉さんを守る!

そんな目的があったから、俺は、俺の精神バランスが保てていた。

しかし……

今、何事も無かったように穏やかだ。
周りの人達の人情に触れて、幸せに日々暮らしている。


だから………


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