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翻弄の果てに
第5章 性(さが)
入院中の環。
「悠ちゃんが居ないだけで、こんなに不安で寂しく思うのは、今、病気だからよね……」
環は、環と悠太の関係がどうしても結ばれない関係にあることに落胆している。
血が呼ぶのだから、恋愛感情を持ってしまった環の心は、苦しさに悲鳴をあげていた。
どういう関係でも男と女。恋愛して何が悪い?
男が女を、女が男を求めて何が悪い?
そう開き直るには、環は大人になりすぎていた。
もっと若ければ、悠太の勢いを借りて、自分も悠太に飛び込んで行けたかもしれない。
躯が悠太を求めている。
しかし、かろうじて残る理性が、それを許さない。
環の心は、荒波のように高い高い白波を打ち付けては砕けた。
「悠ちゃんが居ないだけで、こんなに不安で寂しく思うのは、今、病気だからよね……」
環は、環と悠太の関係がどうしても結ばれない関係にあることに落胆している。
血が呼ぶのだから、恋愛感情を持ってしまった環の心は、苦しさに悲鳴をあげていた。
どういう関係でも男と女。恋愛して何が悪い?
男が女を、女が男を求めて何が悪い?
そう開き直るには、環は大人になりすぎていた。
もっと若ければ、悠太の勢いを借りて、自分も悠太に飛び込んで行けたかもしれない。
躯が悠太を求めている。
しかし、かろうじて残る理性が、それを許さない。
環の心は、荒波のように高い高い白波を打ち付けては砕けた。