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short story
第9章 天の川 /yuriko
「それは責任ですよ。任された責任・・・私は曲がりなりにも叔父ですから」
「それで十分ですよ」
山下さん・・・やっぱり真面目だ。
私の中で山下さんの好感度がどんどん上がっていった。
その時「うん・・・」と克己くんが目を覚ます。
「克己、起きたのか?」
「おじさん・・・?」
「遅くなってすまないな。さあ、帰ろう」
山下さんは克己くんの荷物を持って、まだ寝ぼけ眼の克己くんも抱き上げる。
「ご馳走様でした」
「いえ・・・あっ、克己くんの靴お持ちしますね」
そして三人で下に降りるとアパートの前の黒のセダンを山下さんが開けた。
後部座席に克己くんを下ろすと克己くんはまた横になり寝てしまった。
「よっぽど疲れてるんですね。克己くんのお母さんは体調戻られました?」
「それが経過が余り良くないようで・・・赤ん坊も早く生まれてしまったので救急車で運ばれて・・・今、別々に入院しているんです」
「そうなんですか・・・」
大変なんだ・・・
眠る克己くんに目を遣った。
「でも来週には義兄方の母がこっちに来てくれるようです」
「じゃあ代理お父さんもあと少しですね」
「そういう事になりますね」
克己くんのお婆ちゃんが来れば山下さんと会うこともなくなるのだろう。
そう思ったら胸がチクンと痛んだ。
「・・・では、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
山下さんが車に乗り込みエンジンをかける。
ゆっくりと車が発車して、私はそれを見えなくなるまで見送った。
翌日も、そのまた翌日も克己くんは家に来て、山下さんが迎に来た。
克己くんは毎日眠ってしまい、その度に上がってもらってお話をした。
私は山下さんとの空気が好きだった。
言葉少なに話す声も、時々見られた笑顔にも会えば会うほど惹かれていた。
でも来週になれば山下さんと会うことはなくなる。
それは先のない想いだった。
「では・・・」
「はい、また明日・・・」
そしてあっという間に金曜日の夜を迎えた。
「明日は私は仕事で克己を迎えに来れません、克己は母が病院に連れて行くそうなので幼稚園は休みます」
「そうなんですね、分かりました」
「それで十分ですよ」
山下さん・・・やっぱり真面目だ。
私の中で山下さんの好感度がどんどん上がっていった。
その時「うん・・・」と克己くんが目を覚ます。
「克己、起きたのか?」
「おじさん・・・?」
「遅くなってすまないな。さあ、帰ろう」
山下さんは克己くんの荷物を持って、まだ寝ぼけ眼の克己くんも抱き上げる。
「ご馳走様でした」
「いえ・・・あっ、克己くんの靴お持ちしますね」
そして三人で下に降りるとアパートの前の黒のセダンを山下さんが開けた。
後部座席に克己くんを下ろすと克己くんはまた横になり寝てしまった。
「よっぽど疲れてるんですね。克己くんのお母さんは体調戻られました?」
「それが経過が余り良くないようで・・・赤ん坊も早く生まれてしまったので救急車で運ばれて・・・今、別々に入院しているんです」
「そうなんですか・・・」
大変なんだ・・・
眠る克己くんに目を遣った。
「でも来週には義兄方の母がこっちに来てくれるようです」
「じゃあ代理お父さんもあと少しですね」
「そういう事になりますね」
克己くんのお婆ちゃんが来れば山下さんと会うこともなくなるのだろう。
そう思ったら胸がチクンと痛んだ。
「・・・では、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
山下さんが車に乗り込みエンジンをかける。
ゆっくりと車が発車して、私はそれを見えなくなるまで見送った。
翌日も、そのまた翌日も克己くんは家に来て、山下さんが迎に来た。
克己くんは毎日眠ってしまい、その度に上がってもらってお話をした。
私は山下さんとの空気が好きだった。
言葉少なに話す声も、時々見られた笑顔にも会えば会うほど惹かれていた。
でも来週になれば山下さんと会うことはなくなる。
それは先のない想いだった。
「では・・・」
「はい、また明日・・・」
そしてあっという間に金曜日の夜を迎えた。
「明日は私は仕事で克己を迎えに来れません、克己は母が病院に連れて行くそうなので幼稚園は休みます」
「そうなんですね、分かりました」