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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第19章 王宮という名の伏魔殿
「それでは、ご機嫌よう」
温嬪は、つんと顎を上げた。再び女たちの一団が動き始める。キョンシルたちの側を温嬪と恭嬪を先頭とする一団が通り過ぎていく。キョンシルもまた顔を上げ、彼女たちとは別方向へと歩き出そうとした―その時。
ふいに誰かにチマの裾を踏まれ、キョンシルの身体が傾いだ。
「淑媛さまッ」
臨尚宮の悲鳴が聞こえたが、キョンシルはそのまま勢いで転倒してしまった。膝に鋭い痛みが走った。