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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第4章 旅立ち
「―うん」
 キョンシルは少し甘えたように頷き、トスは端正な面に苦笑を滲ませつつも、大きな手のひらでキョンシルの髪をくしゃっと撫でた。そう、二人が出逢ったばかりの頃、十一歳のキョンシルにトスがよくしてくれたように。
 考えてみれば、キョンシルがトスをいつしか〝おじさん〟と呼ばなくなったように、トスもまたキョンシルの髪をこんな風に愛情込めて撫でてくれることはなくなっていたのだ。
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