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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第23章 戻らぬ男
トスはまだ紅いままの顔で頷いた。
「機会があれば、いずれ」
「きっとですわよ。お待ちしていますからね」
どうせ仕事上のお愛想にすぎないのは判っている。トスはそそくさと逃げるように室を出て扉を閉めた。
扉が眼の前で閉まった後、一人、室に取り残されたファソンが嘆息した。
「それにしても、罪な女もいるものねぇ。あんな良い男をあそこまで惑乱させるなんて。あたしら妓生よりはよほど男を骨抜きにする手練手管に長けてるのではないかしら」
「機会があれば、いずれ」
「きっとですわよ。お待ちしていますからね」
どうせ仕事上のお愛想にすぎないのは判っている。トスはそそくさと逃げるように室を出て扉を閉めた。
扉が眼の前で閉まった後、一人、室に取り残されたファソンが嘆息した。
「それにしても、罪な女もいるものねぇ。あんな良い男をあそこまで惑乱させるなんて。あたしら妓生よりはよほど男を骨抜きにする手練手管に長けてるのではないかしら」