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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第4章 旅立ち
キョンシルは自分で自分が嫌になる。
その時、一陣の風が桜の梢を吹き渡り、一斉に花びらが舞い上がった。くるくると狂ったように風に嬲られ飛んでゆく花びらたちのゆく方を眼で追っている中に、キョンシルの心を覆っているすべての余計なものも剝がれ落ち、風に乗ってどこかに運ばれてゆく。
残ったのはただ一つの想い。自分はトスを愛しているという事実だ。キョンシルは、改めて母の死以来、こだわり続けてきた疑問に対峙した。