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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第25章 再会
キョンシルは真剣な面持ちで首を振った。
「何を仰せになるのですか。お祖父さまの方こそ、お一人でお淋しい日々をずっと過ごしておいでになったのです。もう、誰が悪いのだとか、誰を恨むのだとか、そんなことを考えるのも面倒なくらい、昔の話です。どうかお気になさらないで」
「そなたの父を追いつめ、母をけして認めようとしなかった儂に、そなたは優しい言葉をくれるのか―」
イルチェが感極まったように呟いた。細い眼からひとすじの涙が流れ落ちた。
「何を仰せになるのですか。お祖父さまの方こそ、お一人でお淋しい日々をずっと過ごしておいでになったのです。もう、誰が悪いのだとか、誰を恨むのだとか、そんなことを考えるのも面倒なくらい、昔の話です。どうかお気になさらないで」
「そなたの父を追いつめ、母をけして認めようとしなかった儂に、そなたは優しい言葉をくれるのか―」
イルチェが感極まったように呟いた。細い眼からひとすじの涙が流れ落ちた。