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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第26章 花びら占い
彼は部屋の隅に控えていた馬執事に目配せし、馬執事は静かに室を出ていった。
ほどなく戻ってきた馬執事の両手には小振りな箱が乗っていた。
「キョンシル、結婚が決まった祝いの品だ。受け取りなさい」
その声を合図に、馬執事が両手に箱を捧げ持ち、恭しく運んでくる。やがて、その箱はキョンシルとトスの前に置かれた。
見たところ、黒地に精緻な螺鈿細工が施されている。意匠は牡丹の花とつがいの蝶であった。