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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第4章 旅立ち
母が自分にこの首飾りを託した意味―、それが判るだけに、キョンシルはトスの諭しに素直に頷けなかった。
「利発なそなたのことだ。俺がいちいち言わずとも、もう判っているだろう? ソンニョはキョンシルに崔氏の娘として生きていって欲しかったんだよ」
「そんなのって!」
キョンシルは叫んだ。
トスのやや切れ上がった細い眼(まなこ)が真っすぐにこちらを見つめている。キョンシルはその視線を受け止めきれなくて、うつむいた。