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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
キョンシルは両手をそっと頬に押し当てた。あのひととき―昨夜、桜の樹の下でいきなりトスに抱きしめられたときは本当に愕いた。もっとも、動揺して紅くなったり蒼くなったりしているのはキョンシルの方だけで、肝心のトスの方は既に心にも残っていないようではあるが。
トスにしてみれば、義理の娘がいっかな泣き止まないので、仕方なしにやったことなのだ。つまり、赤児か聞きわけのない幼子をあやすのと同じ理屈といえよう。