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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
「飢えた狼? 狼がこの辺にいるの」
その無邪気な質問に、トスは盛大な吐息をついた。
「あのな、キョンシル。俺が言っている狼ってのは、この場合、野郎―つまり男どものことだ。そなたはソンニョからの大切な預かり者だ。もし仮に眼を離して、そなたが通りすがりの不届き者に乱暴されでもしたら、ソンニョに申し開きが立たない」
ソンニョ、ソンニョ。いまだにトスは母を〝仙女〟と呼ぶ。キョンシルを大切にしてくれるのも、すべてはソンニョの娘だからだ。
その無邪気な質問に、トスは盛大な吐息をついた。
「あのな、キョンシル。俺が言っている狼ってのは、この場合、野郎―つまり男どものことだ。そなたはソンニョからの大切な預かり者だ。もし仮に眼を離して、そなたが通りすがりの不届き者に乱暴されでもしたら、ソンニョに申し開きが立たない」
ソンニョ、ソンニョ。いまだにトスは母を〝仙女〟と呼ぶ。キョンシルを大切にしてくれるのも、すべてはソンニョの娘だからだ。