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第5章 偽りの別れ

　キョンシルが崔氏に戻らなくても、傍系の誰かが本家に入って家門の存続は図れるだろう。しかし、キョンシルの父崔チソンは不遇の中に亡くなっている。若かりし日、酒場の女将の養女と恋仲になり、駆け落ちしてまで所帯を持った。
　当時、領議政の孫であり、刑(ピヨン)曹(ジヨ)判(パン)書(ソ)（当時、崔イルチェは刑曹判書）の子息が家門や何もかもを棄ててまで酒場の女と所帯を持ったという醜聞は両班たちの間で野火のようにひろがった。