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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
焔が揺れている。
夜明けには、まだ間がある。陽が昇ってからのことを考えれば、今は少しでも眠っておいた方が賢明なのは判っていた。が、眠りは一向に訪れそうにない。
トスは何度目になるか知れない吐息をついた。燃え盛る紅い火を見つめ、相変わらず、ぐっすりと寝入るキョンシルに視線を移す。風邪を引かせてはならないと、枯れ枝を折り、焔にくべた。少し下方にずれた布団代わりの掛け布を顎下まで引き上げてやる。