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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第6章 対面
それでも、彼はいつしか息子が眼を覚まして戻ってくると信じていた。だが、息子は帰ってくるどころか、両班の身分を捨て去り、一介の民となり女と所帯を持った。
風の便りに、その後、女が息子の子を懐妊し、赤児を生んだと聞いたが、彼には何の感慨もなく、ただ息子は二度と戻らぬつもりだと思い知らされただけであった。そして、赤児が生まれて半年後、彼の愛して止まなかった息子は流行病が因で亡くなった。当時、二十六歳になったばかりのことだ。
風の便りに、その後、女が息子の子を懐妊し、赤児を生んだと聞いたが、彼には何の感慨もなく、ただ息子は二度と戻らぬつもりだと思い知らされただけであった。そして、赤児が生まれて半年後、彼の愛して止まなかった息子は流行病が因で亡くなった。当時、二十六歳になったばかりのことだ。