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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第6章 対面
トスの書いた字を見るのは初めてであるが、思いの外の達筆である。差出人の名は記されていなかったが、誰が書いたかはすぐに判った。
キョンシルは、家僕に食らいつかんばかりの勢いで問うた。
「この文をくれた人はどこにいるの?」
若い家僕はまだボウとしてキョンシに見惚れていた。噛みつくように言われ、丸い顔に埋もれた細い眼をせわしなくまたたかせた。
「判りません。どこか遠いところに旅に出るような―そんな感じでした」