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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第11章 海の町から
何より、この町は都から適度に離れている。徒歩(かち)でひと月は結構な長旅ではあるけれど、帰ろうと思えば帰れない距離ではない。もしキョンシルが自分から離れて都の祖父の許に行きたいと望めば、いつでも返してやれるという安心感があった。
恋人が不遇に生命を失ってから、まだやっとふた月を経たばかりだ。なのに、自分はその恋人の娘に早くも夢中になって、この少女のことしか考えられない有様になっている。