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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第11章 海の町から
 キョンシルは背中に強い視線を憶え、思わず振り向いた。
 トスが腕組みをして、こちらを見つめている。思わず息を呑んでしまうような力のこもった視線だ。いや、力のあるという言い方は微妙に当てはまらないだろう。
 強いていうならば、まるで睨み据えるかのようなまなざしとでも言えば良いのか。この相手を射竦めるような視線を、キョンシルは前にも見たことがあった。あれは、母の死後ほどなく、都を二人して出ようとしたときのことだ。
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